「火焔太鼓」の思い出

嘗て、ホスピスともいわれる緩和ケア病棟で話し相手として、病院ボランティアをしていた。

 

ホールにある落語のCDを楽しみにしている患者様が、私にも同席して落語をと勧められた。

 

必ず古今亭志ん生の「火焔太鼓」を希望する方でした。

 

残念ながら、途中で席を外すことが多く、通しで聞くことがなかった。

今夜も、枕もとでは相変わらず、ラジオ深夜便がBJMで、オールナイトで流れている。

 

18日の1時台、名人芸を味わう・話芸100選で、初代古今亭志ん五の「火焔太鼓」との案内が聞こえた。

 

やっと落ち着いて聞けるというか「味わう」ことが叶った。

 

いつも苦虫をつぶしたような父親だが、頭を和らげるに落語が良いと言って、楽しみにしていた。

 

緩和ケア病棟の患者様を思い出すことが多く、落語を味わっていた方からも色々と活躍した時代の話を遠くを見ながら、懐かしそうに話していた。

 

初代古今亭志ん五による軽快な語り口に、最後の結末の展開が気になり、

すっかり眠気は無くなった。

 

確かに父親曰く、すっかり頭の固さが取れ、その後睡魔に襲われ、目覚まし時計に起こされ朝を迎えた。