41日間の闘い

2か月ぶりに循環器内科の診療を受ける。

 

高血圧状態が改善されないところに以ってきて、整形外科のご縁も途切れずにいる。

 

永年の主治医の先生も、案じている様子が、言葉の端々から伺える。

 

暫く血液検査をしていないので、来月採血をすることにした。

 

診療後、「先生、次回には、喜んで頂けるように、来月を待っていてください」なんて、大見得を切って、診察室を後にした。

 

今日から数えて、41日後に結果が出るまでに、改善しなければいけない生活習慣と食生活の改善との闘いが始まる。

 

今朝ほど、エレベーターの「今日は何の日」によれば「穴子の日、つまり7と5の語呂合わせ」である。

 

関西では穴子、最近は東京市場でも「ハモ(鱧)」の需要が増えているそうだが、兎に角、穴子の誘惑を振り切った。

 

郵便受けに故郷の恩師からの宅急便の不在票が入っていた。

ワクワクする気持ちを抑えて、宅急便を只管待った。

 

受け取った品がなんであるかは、既に甘い香りで「桃」と直ぐ分かった。

 

桃農家で摘み取った桃には、恩師のいくつもの指の跡が点いている。

恐らく慣れない桃の柔らかい果肉を摘み取る時に点いたものだが、私には

その指の跡から、恩師の私を思いやる気持ちに、涙が止まらなくなった。

 

冷蔵庫で冷えるのも待ち遠しく、皮をむきながら、声を出して泣いた。

 

もう、何年間も、私は泣くことを忘れ、走り続けていたように想った。

 

恩師の指の後の付いた桃には、私をそっと故郷から支えてくれる温かさに満ちた大切な大切な心の籠った桃である。

 

41日間の自己との闘いにも頑張れると想った。