赤い薔薇と本

久し振りに、エレベーターの「今日は何の日」で、スペインのカタロニア地方のキリスト教で守護の聖人のサンジョルディを祝う日とある。

 

女性は男性に本を、男性は女性に赤い薔薇を贈る風習があるそうだ。

 

先日、近所のお庭に真っ赤な薔薇の花が咲いているのを見た時に、23日はサンジョルディの日だと、思い出していた。

 

当日まですっかり忘れていたがエレベーターで、今日だったという情けない始末である。

 

しかも、男性から赤い薔薇をプレゼントされることだけは忘れていないというお粗末な自分を恥じた。

女性が男性に本を贈ることは記憶から抜け落ちていた。

 

4月23日は日本では2001年12月に、「子ども読書の日」として、大きなポスターが隣接する図書館の掲示板に張り出してあった。

 

偶然、母親に手を繋がれた幼児が、ポスターを見ている私の前を通り過ぎて図書館に入っていった。

 

どんな本を選ぶのだろうかと、想いを馳せた。

 

殺伐とした毎日に疲弊しているだけに、とても温かい気持ちになった。