紙を切る音

明日が、わが地域では年内最後の資源ごみの回収日である。

 

今の私の体調には、引き出しや封筒に入っている1年から大体3年近い書類に目を通して、必要と思って残していた資料も、案外必要としなかった紙資源としか思えないものになっている。

 

紙資源に変わった資料や書類を、鋏で、次々に適当に切る作業は、私には

ストレス解消というか、気持ちが落ち着くのである。

 

今日は朝から、故郷の「あさくちブルー」のような、すっきりとした青空だが、震えあがるほどの北風に、自宅に籠ることに決めた。

 

そうと決めるや、久しぶりに「自分の時間」を取り戻せた私は、紙資源の

整理を始めた次第である。

 

只管、チョキチョキと切っていると、紙を切る音が、サックサックといったリズミカルに聞こえてくる。

 

本当に久しぶりに、マイペースで好きな「断捨離」を味わえた。

 

長くこんな時間が見いだせなかった日々に、今日は、明日の資源ごみの為

にあるかのように思える。

 

紙を切るだけの時間が過ぎていく中で、今年を振り返るより、私には来る

新しい年に、色々と自分の想いが湧いてくる。

 

やっと、本来の私を取り戻しつつあると、気持ちが和らいでくる。

 

単純な紙を切るという作業で、自分の中で荒立った感情が収まり、次から

次と、前向きな意欲が頭を擡げてくる。

 

スマホに、図書館にリクエストしていた図書の連絡が入っていた。

すっかり忘れていたが、運よく年末年始の休暇期間があるので、貸し出し期限が普通より長く、ゆっくりと読み込めると、楽しみである。

 

朝からの北風は衰えず、相変わらず冷たく寒い一日だが、私にとっては、

久し振りに穏やかな自分を取り戻せた。