落とし物

今の私の時間は、全てボランティアに費やされている日々であり、今月の5日は、「国際ボランティア」の日だったと、来年からスタートする一人住まいで、ともすれば、コロナ禍により、外出の機会が減り、人との交流も途絶えがちな方たちのために「ぼっちの会」を立ち上げることにした。

 

もう、大丈夫と思っていると、次から次に、気付かない箇所が出てきて、社会福祉協議会に相談に出かけた。

 

その帰り道、横断歩道で、何かに足をのせて、転倒寸前で支えられた。

足元にピカピカの私も愛用している新型のパーカーのボールペンの上に、

足をのせてしまったとわかり、拾い上げると、ネーム入りで、恐らくは、

記念品かプレゼントの類だと察せられる。

 

交番に届けようと、きょろきょろしたが、かなり離れた距離にあり、目の前に警察署があり、私は、窓口で「落とし物ですが、どちらに伺えば宜しいですか」と尋ねると、丁寧に落とし物の窓口まで案内された。

 

窓口の対応も丁寧で、「奥さん、ネームが入っているから、落とし主にとっては大切な記念品でしょうから、見つかるといいですね」という。

 

何か、とても、爽やかな気持ちになった私は帰り道の商店街で、私の体型にあったセーターを見付け、購入した店主から、今、年末の福引をしているから、寄っていきなさいと。

 

大体、くじとか、ゲームにも弱い私は、殆ど期待もせずに、懐かしいカラカラ回すと、出てくる色に、きっと、外れくじだと、立ち去ろうとしたら、「お客さん、500円券が2枚でました」。

 

早速、購入した店に報告に行くと、「良かったね~、今日うちの店では

初めてだよ」と言われ、隣接するお店の人も出てきて、「笑顔、笑顔」。

 

これまでの辛かった日々がすっ飛んでしまい、先月帰郷した際に引き受けていたお手伝いも、うまくいくと、晴れ晴れとした気持ちで、ある兼ねてから考えていた老後の問題に進めていこうと決心した。