白木蓮に想いを馳せる

快晴の空に、自宅前の公園に、毎年、大きい白木蓮の気高く、真っ白い花が溢れるほど、咲き競っている。

 

やはり、予想通りに、花で幹が隠れ、特に、辛夷より一回り大きな花弁が

奔放に開花している。

 

青空にキラキラと花が輝いて見える。

素晴らしい季節のプレゼントである「ブルーと白のコラボ」に、魅入ってしまった。

 

ご近所の私より少し年配の女性の方が、「辛夷ですか、木蓮ですかか?」と、声をかけてきた。

 

2011年の3月11日の東日本大震災一か月後、私は、長年住み慣れた自宅から、公園前の現在のマンションに移り住むことになったのである。

 

実は、年配の方から尋ねられるまで、「辛夷」と思い込んでいた。

幹に「白木蓮」との表示に、「白木蓮だそうですよ」

 

「そうですか。私は、てっきり『辛夷』とばかり思っていましたよ」

思わず、「私もです」

 

その方は私に「どうもありがとう」と、会釈をして、「北国の春」を口ずさんでいます。

 

痛ましい自然の脅威による災害と、後の人災に翻弄され多くの方が、故郷を後にした被災者に想いを馳せながら、私も、思わず、「北国の春」を口ずさんでいた。

 

公園の「白木蓮」は、私には、「辛夷」に見えてしまうのである。