山茶花の赤い花に迎えられ

昨夜、次々と絶え間なく迫ってくる黒い雲にも負けずに、明るく輝き続けた月を、思い出しながら、天気予報通りの雨空だった。

 

今朝、ホテルをチェックアウトする時間は、今にも降り出しそうな鉛色の雲が覆いかぶさってくるような、重苦しさがあった。

 

しかし、何故か、私は天候にも左右されることなく、足取りも軽く、自宅に向かった。

 

僅か10分から15分しか離れていないが、お陰様で雨に合わず、「晴れ女」の力は失わないで残っていた。

 

自宅のあるマンションの植え込みの山茶花が、白からすっかり赤一色に変わり、足元は散り始めた赤い花の絨毯で敷き詰められている。

 

まさか、私の帰宅をレッドカーペットで迎えてくれたなんて思わないが、

「お帰りなさい」と、受け止める余裕に「もう、大丈夫」と想った。

 

今年も残すところ、2週間、考えてみると、長く続いた心身ともの痛みは

高い授業料を支払ったが、更にワンステップ成長するために、必要だったと、考え、これで良かったのだと。

 

両親から、いつも虚弱体質にも、必ず意味があるのだと、そして、人は、

「おでこ」をぶつけて痛い想いをして、初めて、気づくものだと。

 

懐かしく両親の言葉を思い出し、本当に何一つ、無駄なく、人は学び続けていくものだと、今回の経験を、今後に生かせるようにしたい。

 

天気予報によれば、今日の雨が今年最後の雨になると聞き、全てが今日の

雨で、洗い流してくれると思うと、雨が早く降らないかと、自分勝手で、

自己中心的な想いが、頭を擡げてきた。

 

さあ、これから、昼食の支度でもしようかな。