青空に裸木

気持ちの動揺が続いている不安定な精神状態の私は、背筋を伸ばし、青空を仰ぎながら、散歩をすることで、何とか、心の安定を保っている。

 

雲一つない素晴らしい青空のように、私は今後も上を向いて、しっかりと

自分でケアをしながら、自然の恵みを胸いっぱい頂きながら歩んでいる。

 

必ず立ち寄るコースに、都立高等学校の校庭にある「都天然記念物指定」

とある銀杏の巨木に、話しかけることが楽しみであった。

 

昨日までは、まだ、黄色く色づいた葉が幾分残っていたが、今日は、すっかり葉が落ち、根元から黄色の絨毯が広がって見える。

 

黄葉の美しさで、楽しませ、役目を終えたかのように見える、黒く逞しい枝は、青空に向かって、裸木になっても、威風堂々とした姿で、これまた力強い生命力を感じるのである。

 

暫く立ち止まって、歴史のある銀杏の巨木を見上げ続けていた。

 

黒く幾つもの枝を伸ばした裸木に、澄み切った青空とのコラボが素晴らしく、ともすれば、沈みがちな私に、元気を出して、背筋を伸ばして、これまでのように、自分らしさを取り戻して、上を向いて歩きなさいと。

 

来年、また、季節が来れば、緑色の葉を伸ばし、時が来れば、自然の絵の具が、黄色に染めてくれる時が巡り巡ってくるからとも、裸木の巨木は、

力強く、語り掛けてくるのだった。

 

青空はふるさとの「あさくち ブルー」を、今は裸木の巨木からは、母校の恩師を重ねあわせていた。