八つ手の花

今日は、今年最後の祝日「勤労感謝の日」である。

毎日が、日曜日になった私には、現役時代と受け止め方が違った。

 

午前中9時過ぎまでは、雲が陣取り、太陽の日差しを遮っていたが、10時過ぎ、やっと、澄み切った雲一つない青空が広がった。

 

昨日の雨は、乾燥しきっていただけに、恵みの雨ともいえる。

 

昼食後、偶にはサンサンの降り注ぐ太陽と散歩しようと、出かけた。

思い切って、今日は、兼ねてより望んでいた場所まで足を延ばした。

 

街路樹のイチョウ並木も、ぐっと、黄色く色づいてきた。

行く先々で、昨日の雨で生気を取り戻した艶やかな八つ手の木には、真っ白の花が真っ盛りである。

 

白い花が好きな私は、私の背より伸びた大きな八つ手の花が真っ直ぐ生き生きと咲いているのを見ると、心に潤いを感じる。

 

見ていると、愛嬌すら覚える花で、ふっと、育ちすぎたネギ坊主に何処か

似ているようにも見える。

 

元来、いつも元気に、艶のある大きな葉を目いっぱいに広げている八つ手は、「天狗の内輪」と言われている。

 

小学校時代に友達と、夏の暑い日に、葉を内輪代わりに使ったり、大きく茂った葉の陰に身を潜めた隠れんぼなど、懐かしい思い出がある。

 

今が盛りの八つ手の白い花を、心行くまで愛でた私の「今年最後の祝日」

は終わった。