夕闇に漂う金木犀の香り

昨日から、東京も緊急事態宣言、飲食店の時短要請も全面解除と日常生活が戻りつつある中で、私の日常生活はいつ戻るのだろうかと、辛くなる。

 

丁度、東日本大震災を機に引っ越して、十年になる。

よく言われるが、住まいも十年というのが、水回りを含めて、耐用年数の

限界といわれているが、まさにその通り。

 

昨年は、75歳に際し、脳外科の手術に始まり、今年は、住まいのドクターのお世話になる機会が多い。

 

これまで、長年一人住まいをしてきた私だが、今年の幾つかの障害問題に

やはり、寄る年波か、非常に疲労感を覚え、回復途上にあった血圧に異常が出始めている。

 

私の血圧は主治医の先生から「ストレス」からくるもので、診察室に入ると、20年近いお付き合いのために、すぐ「何かあったかしら」と見透かされてしまうのである。

 

来月の診察までには、改善したいと、只管、願っているばかりである。

 

日没が火を重ねて早くなっているが、散歩のコースとして、必ず、小学校でも、中学校でも、高等学校でも、保育園でも、そのいずれかを加える。

 

ある程度の築年数のある校舎には、特有の共通点が見られ、コロナ感染で

帰郷できなくなった故郷の母校の小学校に想いを馳せることができる。

 

そんな時、金木犀の甘い香りがそこはかとなく漂ってきた。

近くの高等学校の植え込みの金木犀が、今年三度目の花をつけていた。

 

マスク越しではあるが、大好きな香りに、何とか、気持ちが和んできた。