強風の最中の雑草

昨日のごみ事件で、目醒まし時計に起こされるも、体が起こせない。

 

カーテンから、差し込む陽射しに、台風9号が接近しているにも関わらず、

洗濯日和に、洗濯をしようと起き上がって、洗濯機の所までの僅かな距離

なのに、突然「ふっわっ」と体が軽くなり、一瞬、意識を無くし、転びそうになった。

 

昨年の脳外科の術後、何度も、ドクターを始め医療従事者から、確認された際には、一度も起こらなかった症状である。

 

恐らく、数秒かと思うが、とても、不安な気持ちに襲われた。

 

洗濯機にスイッチを入れ、ベッドに横になって、様子を見ることにしたものの、この雲に乗った様で、意識が飛ぶのが続くようであれば、救急車の手配もありかと脳裏をかすめた。

 

血圧を測っても、幾分平常値より高い程度で、思い当たる一つ一つを解決している時、首筋から肩、更に肩甲骨までが、ガチガチ状態である。

 

矢張り、昨日のごみ処理が堪えたとの結論に達した私は、所謂、この凝りをとらなければと、ふらつきの不安もあるが、体操と、手の届く範囲での

マッサージをした。

 

洗濯物も干し終えて、30分ほどしたら、一気に大粒の雨が降り始め、慌てて、洗濯物を取り込む羽目になった。

 

昼食後、こんな時に限って、冷蔵庫がスカスカになり、買い物に出掛けなければと、友人に今朝からの状況を説明すると、ちょうど、夕刻に買い物に行くから、心配だから一緒に行くことになった。

 

現在、少子化時代に統合したために空室状態の小学校の校舎に、2学期から建て替えのために、子どもたちが引っ越してくる。

 

フェンス越しの校庭の一角に、まだ強風が収まらない中で、柴犬の尾を思わせる学名「エノコログサ(狗尾草)」が強風にも左右されることなく、まっすぐと、伸びやかに群生している。

 

我々二人は、強風に負けないように体を固くして踏ん張りながら、歩いて居るのに、「猫じゃらし」の俗称で、子ども時代に遊んだ懐かしい自然界の遊具である雑草はビクともしていないのである。

 

友人もふるさとを持つ身であり、二人は暫し、立ち止まって見入った。

 

思わず、私は、「夏草や兵どもが夢の跡」と、芭蕉の句が口から飛び出したのを、友人も、「そうね、この時期に何か、意味深ね」と。

 

何故かは私も分からないが、「持つべきものは友」であり、「雑草」の強さは明らかである。