「初めまして」も変わる

2018年の夕刻、私は、ふるさとの母校のPTA70周年記念に、翌日の16日に、講演の依頼を受け、母校卒業後、61年ぶりに帰郷した。

 

校長先生から、講演の依頼は、1月に、メールでいただいていた。

あまりの突然の話に、戸惑いが優先して、数日、悩んでいた。

時が流れすぎて、母校に対する実感が湧かなかったのである。

 

既に、実家はなく、小学校時代の同級生すら、思いだせないほどに、時が過ぎていたからである。

 

ただ、中学校の友人に会いたいという想いが、私の迷いをかき消してくれたのである。

 

校長先生に、承諾の返事をして以来、16日の講演までの細部にわたる打合せは、すべて、メールで済ませた。

 

本来であれば、直ぐに、ネットで母校のホームページを検索する私であるが、今回は、自分の目で確かめたいと、スルーしたのである。

 

時を経ること凡そ、5か月後に、初めて、校長先生とは宿泊先の文政10年創業の和風旅館のロビーでお目に掛かった次第である。

 

お互いに、初めて「初めまして」と挨拶を交わしたのであった。

 

現在のコロナ禍では、オンラインで、可能な時代であるが、私には、忙しい中を、わざわざ、足を運んでくださったことが、とても嬉しかった。

 

今では、アナログといわれそうだが、私には、温かい「笑顔」で、私に、挨拶してくださった僅か、15分ほどの時間であったが、今も私にとって

忘れることのない、61年ぶりの故郷での懐かしい思い出である。