23日の死亡欄

ヤット埃を取り除いた時は、既に日付は翌日の23日になっていた。
毎朝のルーティンである6時に新聞を取りに行く時刻だった。

ステイホームの為、時間はたっぷりあるので、新聞に目を通すのが楽しみだ。
死亡欄に、皆川達夫氏の名前に、最近はご無沙汰していたが、日曜日の朝のNHKラジオ第一の「音楽の泉」を楽しみにしていた。

ネットで調べてみると1949年から31年も続いていたと知る。
今年の3月29日に、「今日の放送をもって私の最後の放送とさせていただきます。これでお別れします。皆さん ごきげんよう」と紹介されていた。

何時も穏やかな語り口といい、品の良い表現に、私は心魅かれていた。
つい、最近は特に、新型コロナウイルスの情報に敏感になって、心に余裕がある様な番組に気が付かなかった自分を悔やんだ。

然も何と最後まで視聴者の気持ちに寄り添い、心遣いを示されたと知り、改めて人としての大切な人生観を残し、教えて下さったと想った。

と、同時に音楽評論家の黒田恭一氏を思い出した。
断捨離を続けている私だが、何かの時にと、心に残る言葉だけを書き留めたメモに、確か黒田恭一氏の、NHKのラジオの「ミュージックプレゼント」の終了時に、必ずや「お気持ち 爽やかに お過ごし下さい」と。

この言葉に、私は心から爽やかになった。
未だ猛威を振るう新型コロナウイルスの時代 故に、とてもお二人の存在が如何に貴重だったかと、つくづく残念に想う。
因みに、ネットで調べると、2009年5月29日に天国に召されています。

「音楽の力」を私達に残した功績に、感謝の気持ちでいる。