父親を困らせた思い出

先週母校から帰京後、何時も必ず新聞に目を通すのが毎日のルーティンと以前に書いた記憶がある。

未だに関心のある記事をつい、切り取って役目を果たした様な悪い習慣が治らない。
母校の校長先生から「笑顔輝け」という学校だよりに、私はそのブログを共有するのが、とても楽しみである。

そういえば、今年で二回目の「漢字検定」が、今月8日にあった記憶があった。
そこで、昨日16日の日本経済新聞の文化欄に、感字学者の阿辻哲次氏の連載で「遊遊漢字学」という記事に対して私は、嘗て父親に同じ類の質問をした。

氏の記載に拠れば、小学校の校長先生からのメールで、校長室に来た児童が「馬や象や羊にはどうしてケモノヘンがつかないの」とたずねられたという思いもかけない質問に出くわしたという。

実は、私も突然、同じ様な質問をした記憶を思い出した。
 虚弱体質の私に、父親は私に、いわば母校の漢字検定ではないが、漢字に対する宿題というか、夕食時に毎日課していた。

前後の経緯は忘れているが、突然、父親に「猫や猿は獣偏なのに、犬には付いてないのか」と質問した。

父親は仕事が終わると、必ず、毎晩晩酌をする習慣があった。
盃に酒を注ごうとした時に、私は気になっていたので、さらりと質問したのだが、銚子を持つ手が 一瞬、固まってしまったのである。

父親の表情が、まるで苦虫を噛み潰したような、何とも不愉快な顔付きになった。
私は、父親を困らせる様な質問をしたとは思えず、父親の変化が理解出来なかった。

然し、長き時を経て、昨日の新聞で理解出来た。
母校の漢字検定から、亡き父親との思い出を今は懐かしく思い出したが、さて父親はどう思っっているか聞きたいところだ。