ヘルメット着用 ユニックに乗る

何年前だろうか、通い慣れた車窓からの風景には大きな変化もある一方で、まだ残っている自然の中でも、肉眼では分からない変化が生じているに違いない。


現場には、既に面識のある職人は一人だけだったが、当時のことが懐かしく思い出される。

予想通り、ユニックを必要とされる位置だった。

既に、ユニックが用意され、ヘルメットもあった。


嗚呼、愛おしい我が子に再会した想いが駆け巡り、ヘルメットを着用した時、思わず涙を堪えるのに精一杯だった。


これまでも幾つかの現場で、職人さん達に支えて貰った。

細かい指摘にも、寧ろ、これぞまさに自分の活躍の場であり、気持ちよく

聞き入れて貰った。


燻し銀の様な素晴らしい「誇り」にこちらが根負けする程、頑張ってくれた。また、質問すると顔を輝かせて教えてもくれた。


6月の61年振りの故郷への帰郷に始まり、私の心の中で変化が始まっている事を感じながら、掴めない日々を過ごしていた。


また、久し振りのヘルメットとユニックから、何らかの予感めいた変化の時が来たと感じつつ、暮れゆく車窓を眺めていた。