重厚感のある本に出会う

8月末に、尊敬する方から私に紹介したい本があるので、と言うお話を伺いました。
気になりながら、その方にお目にかかるタイミングが合わなくて、9月初旬にお訪ねしました。

さり気なく渡されました本の読後感をと、ちょっと遅い夏休みの宿題を戴いた感がありました。
我が家は、図書館に隣接している恵まれた環境にありながら、頻繁に行くものの、持ち出し禁止の図書とアメブロの為に花の図鑑ぐらいで、出版の仕事に関わっていたにも、チョット遠のいている。

読後感を求められた本は、宮川徹志著「僕は沖縄を取り戻したい 〜異色の外交官・千葉一夫」2017年8月3日に岩波書店より発刊されていた。

著者の宮川徹志氏は、NHKのチーフ・ディレクターで、クローズアップ現代やスペシャルなどの報道番組を制作との経歴で、矢張り臨場感を感じていた私は納得した。

元々、ノンフィクションやエッセイが好みという現実主義に興味や関心を持つ私は読み始めると、何と引き込まれる様に読んでいる自分に驚きを覚えた。

異色の外交官と言われる千葉一夫氏の情熱というか、エネルギーに魅せられる。
困難に出会うと、全力で知恵を絞り、正々堂々と立ち向かう姿には、いつしかエールを送っている。

外交にはこれまで、関心も無く、この種の本とは無縁であった。

然し、私は千葉一夫氏の生き方に多くの学ぶべきものを得た。今でも沖縄は、簡単に語るには困難な問題を抱えている。

読み終えて、今、千葉一夫氏が存命でいたら、どの様な手腕を振るうのだろうかと、残念に思う。

情熱を持ち続けて、時代を駆け抜けた外交官を知り得たことは、大きな収穫である。
何故、私にこの本を勧めて下さったのだろうかと言う疑問もあるが、遅い夏休みの宿題は大きなプレゼントと受け止めている。