「晴れの国 おかやま」が「大雨の国」

何となく目が冴えて寝付けない日々が続いていた。
理由は故郷に帰る前の気持ちがいつもより、昂ぶって いた先月6月8日の夕食の準備をしている時だ。
濡れ手でもあり、宅急便と思い、マンションのロックを解錠した。

ドアを開けると、NHKの外部嘱託員だった。
突然、切り出したのは、私のマンション全てが、衛星放送対象に該当しているが、私は申請をしていないという。
私は全く及びも付かないというか、転居してかなりの年数だが全く無関係、無知に他ならない。
担当者に、当マンションの住人は全て契約済みなのか、確認したが、一方的に規則というだけであった。

否応無く、集合住宅は衛星放送の対象のある場合は、該当するという。
それならば、個人邸についての質問には、だんまりを決め込む。

30分程のやり取りをしても、天下のNHKを相手にしても規則という建前論一方で引き退がらない。
つい、根負けというか、空腹もあり、面倒になり、承諾のサインをした。

請求金額を見て、一度も衛星放送を見た記憶がないことに気付いた私は無性に怒りが込み上げてきた。
自分の愚かさを許せない反面、嫌悪感が消えない私は、テレビを廃棄することにした。

手続きが済むまではと、テレビを付けた7月6日の深夜に我が故郷の「晴れの国 おかやま」地方にこれまでに経験したことのない大雨特別警報のニュースが流れていた。
しかも刻々と事態の深刻さがテレビの画面から伝わってくる。

先月のあの晴れ渡った故郷の空は、直ぐ母校の小学校の近くにある、今は雑草に覆われた池は、春は桜並木が続く川はと、思わぬ記憶が蘇ってきた。

テレビの廃棄日が決まるまで、私は天気予報に敏感な毎日を過ごす。