批判することが生き甲斐ですか

正確さには欠けるが、竹内一郎氏の「人は見た目が9割」が発刊以来ベストセラーーになった記憶がある。
つまりは第1印象が大きく影響されると、私は理解している。私にも初対面で、私なりに感じるものがあった。
やはり、それはほぼ予想通りで変わらない状態が続いている。

長年の習慣で毎朝、日経新聞の朝刊の「春秋」欄を読むのが日課になっている。
偶然にも、私の疑問を紐解いてくれる内容が掲載されていた。

科学哲学が専門の戸田山和久氏が、筑摩書房の月刊誌に連載中の「飛び出せ教養」掲載されているものだ。
素晴らしい内容なので、紹介させていただくことをご容赦ください。

『「批判」というと、相手の主張をやっつけることだと思うかもしれないが、もっとも大切なもう一つの意味がある。自分の振る舞いが適切であるかどうかを省みることだ』
更に『自分の知性や理性を見極める作業のことも批判と呼ぶのだそうだ』(中略)
『くだいていえば、自分で自分の思考や言葉にツッコミを入れる批判精神こそ、「教養」なのだ』
と大学生に向けて書いているとのことだが、もう人生の収支決算をしなければならない私にとっても、奥行きの深い言葉だと、感銘を受けた。

この貴重な内容は、例え、現在社会人として優秀なキャリアの持ち主にも、「教養」が必要ではないだろうか。

私は、戸田山和久氏に今まで心に重く蟠っていたものから解放された。
相手にも一読を期待したいところだが。