懐かしい地方紙が届く

夕刻故郷の小学校の校長先生から、懐かしい地方紙の「山陽新聞」と手紙が届いた。
校長先生の当日を気遣った手紙と、先日16日の講演会の記事が掲載されている紙面にはピンク色の付箋が付いてあり、校長先生の心遣いが汲み取れた。

帰郷後の帰京から私の中で、言葉では言い尽くせない複雑な心境が続いている。
今迄、帰郷するまで、正直のところ、故郷を思い出す機会はないと言ってもよかった。
ところが、東京を生活の拠点にしている私は、東京での日々が苦痛になる日々が続き、どうすることも出来なかった。

日を追って故郷の思い出が走馬燈の様に、私の中で駆け巡り続けた。
故郷の我が家の前には大人であれば飛び越えるほとの小川が流れていた。
私は、毎年その小川でメダカを網で抄くい取るのが楽しみだった。
今、あの小川は、メダカはどうしているのだろうかと思い浮かべていた。

そうだ、こんな精神状態の時は、断捨離をするに限る。
2年近く切り取った新聞の記事が積もり積もっていた。
偶然にしては、出来すぎているが、20166月3日の日経新聞の夕刊の記事が目に入った。
ドイツの動物科学誌に発表したもので、興味深く、記事の一部を紹介記載すると「メダカの雄は特定の雌に狙いを定めると、雌が他の雄を記憶しないよう周囲を泳ぎ回って視界を遮り、自分だけ好かれるため激しい闘いを繰り広げている」という内容だ。
その研究には愛知県岡崎市の自然科学研究機構生物学研究所と岡山大学の研究グループによるものだ。

さてさて、私は故郷のメダカのキューピッドだったのか、お邪魔虫だったのだろうか。