湯豆腐は二人で

今日は冬晴れとはいえ、底冷えがする1日でした。

芯から身体が冷え切っています。
この寒さから、まだ私が30代の頃、毎年この季節に仕事で京都に出張をしていました。
仕事先は、素晴らしい京都にふさわしい風格のある住まいですが、通された部屋でいつも10分ほど待たされるのですが、お手伝いさんがお茶と和菓子を勧めてくださるのですが、座布団に座っていても畳の冷たさが深々と身体に伝わってきます。
京都の和菓子をいただきたいのですが、既にお茶は冷めています。
冷え切っているのでトイレの心配もあり、いつも和菓子を食する機会を逃して来ました。
用事を済ませた私の向かう先は、南禅寺の湯豆腐で身体を温めたい一心です。
「おひとりどすか」「ハイ、一人で、申し訳ありませんが、よろしいですか」
なぜか、こんな返事をしなければと、あたりを見回すと、ほとんど二人で湯豆腐を食しています。
さすがに数年間は、目をつむって我慢していただいた湯豆腐は味気なく、ある時を境に松葉の鰊そばをいただくことにしました。
その後の京都の出張は鰊そばを楽しみに数年続きました。