もやしと青年

朝から篠突くような雨に、元気印のオクザリスの花がすっかり下を向いてフリーズ状態です。

なぜ、もやしが先で青年が後回しのタイトルなのと思った方もいらっしゃることでしょう。
今日、11月11日は「もやしの日」ということで、主客転倒を敢えてしました。
約10年さかのぼりますが、友人が社員教育の一環として、病院ボランティアから学んで欲しいとの申し出を、快く受け入れました。
その青年は、大学を卒業後、大手企業でエンジニアでソフトの開発に従事していました。
その3年後、上司の葬式に参列した時、尊敬していた上司も企業では、ダダのパーツの一部にすぎないことを感じたのです。
青年は3年間の貯えをはたいて、日本を脱出しました。
各国でアルバイトをしながらも、さすがに世界の厳しい現実に日本に帰ってきました。
友人の会社も立ち上げたばかりで、まだ経営的にもヨチヨチ歩きの状態のため、その青年はますます生活が苦しくなりました。
ある日、「淺野さん、一番安くて、満服を味わう野菜はなんですか」
私は即座に「もやしよ、まずリーズナブルで、栄養価も食物繊維も豊富だから、軽く茹でてマヨネーズとか、油炒めにするといいわよ。もう、一つ、芽が出るかもしれないし…」
ボランティアをやめる時、私に「淺野さん、僕はスピードをいかに短縮することがサービスだと思っていましたが、必ずしもスピードだけではないことをボランティアをして気がつきました」
「偉い、ハナマルよ。人それぞれのペースに合わせるのが、ボランティアには必要なことがわかったのね。卒業かな」
「もやしの日」のおかげで、青年のことを思い出しました。
因みに、英語では、葉が四つ葉のクローバーに似ているところから「グッドラックリーフ」と呼んでいるそうですよ。