経営者の顔をしている

夕刻、友人が「いつも忙しい、忙しいで、キチンと食事も摂っていないでしょ」と訪ねて来ました。

ちょうど今が旬だからと言いながら、テーブルに広げ始めました。
プーンと秋刀魚の香ばしい匂いが辺りを包み、カボスと大根おろしも添えてあります。さらに栗ご飯までも。
小さな淺野邸は、秋の味覚でいっぱいの素晴らしい夕食となりました。
「ねえ、最近あなたの顔が昔の経営者の顔に戻ってきたように思えるけど、また何かを始めるつもり?」
友人に言われるまで気がつかないでいましたが、確かに、何か掴めないのですが、今年の誕生日を迎えた頃から、精神的にモゾモゾしたものを感じています。
ある友人が「最近、昔のことや、今まで夢にも現れなかったような親戚や友人が毎日のように夢に出てくるの。何か意味があるのよね」と数日前に聞いたことが思い出されました。
その友人もこれまでの過ぎ去った時間から、何かを新しく探しているのではないでしょうか。
「常に思い切りがよくて、振り返らないで、前向きに考える人なのに、あなたもそうなの」と友人は私も似通ったことを経験していると話しましたところ、心持ち安心した表情になりました。
ちょうど、最近路地で見かけた大きな袋を蓄えた植物のように、私の中でだんだん袋が膨らんでいます。