ホウヅキの思い出

偶然、ホウヅキを見つけました。小学校時代を過ごした地方にはホウヅキが赤く大きな袋を抱えた光景を多く見かけました。
赤く染まった袋から、丸く育った実を取り出し、それを時間をかけて中の種を袋を破らないように取り出し、出し終わった後、口の当てると特有の音が出ます。
ところが、体の弱い私は母親から禁じられていましたが、遊び仲間が当てつけがましく私の耳元で音を鳴らします。そのようなわけで種すらうまく取り出すことができませんでした。
寂しい思いをした夏休みの思い出ですが、後々父親から思いがけない話を聞きました。
なんと、私の両親のお見合いをホウヅキ市にしたそうです。その日は四万六日寿命が延びるとかで、仲人さんが縁起が良いとかでセッチングしたそうです。
体力には自信がないくせに、負けず嫌いの私は夏休みの終わる頃には、上手くホウズキの種を取り除くことはできるようになりました。