津南の水

「そろそろ花を咲かせてよ」と、自宅の前の植え込みの紫陽花に声をかけながら水をかけていますお年寄りに、笑みがこぼれます。

今日、「津南の水」という銘柄があることを知り、美術の仕事で津南町を訪れたことを思い出しました。11月の初旬から、私はその数日前から風邪をひいていましたが、納期が決まっていますので無理を承知で出掛けました。宿泊先は工事関係者で満室状態でした。食事が進まない私を、宿の年配の女将さんが、自室に呼んで、玉子酒と火鉢で焼いた熱いスルメを裂きながら「これで風邪は治るから、今夜は温まって早く寝なさい」と。また、「11月13日には、必ず雪が降り始めるから、気をつけないと」とも付け加え、私を案じてくれました。
予定より仕事が早く片付いたので、バス停の前でバスを待っているとチラチラと白いものが、コートにかかります。見上げると雪です。11月13日の朝でした。